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続くPW4000系トラブル(2)
2021/02/25 19:11:15 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

PW4000系のエンジンは南ぬ島石垣空港にもやって来ることのあるB777-200にも搭載されており、相次ぐトラブルはコロナ禍収束後の今後の島社会を占う上でも特に気になる問題である。


ISGをRWY04でテイクオフするB777-200(JA702A) 
PW4084搭載の機齢23年の経年機

事故後、メディア上に公開されているUA328便のエンジントラブルの様子からは、昨年12月4日に発生した那覇発JAL904便との多くの共通点が思い浮かぶ。
トラブル原因も同様である可能性が高いので両者の事故情況を比較してみよう。



UA328便のNo2ENGのファンブレードの破壊情況
1本は根元からその下の隣接ブレードは先端だけ折損、飛散している


JL904便のNo1ENGのファンブレード破壊情況


両者の破壊情況は酷似している。双方、根元から折れているブレードから破壊が始まったと推定される。
根元から折損し回転しながら飛散する際に、後から回転して来た隣接ブレードに叩かれ、隣接ブレードは先端だけが折れて飛散したまでのメカニズムは全く同様であろうと推測される。
従って推定事故原因は両事故に共通するPW4000系のチタン合金製のファンブレードに何らかの設計上、製造上、運用上での問題ではないかと思われる。
今後、詳しい調査によって事故原因は明らかにされ、適切な対応が図られるものと思われるが公表されている写真から事故後のエンジン全体を見てみよう。



JL904便のNo1エンジンの事故後の外観



UA328便のNo2エンジン事故後の外観


同じファンブレードの破壊によるトラブルにしては、JL904とUA328ではエンジンカウルの破壊情況に大きな違いがあることがわかる。
ポッド全体の外観からわかる違いはJL904が原型を留め飛散したのがアクセスパネル類に限定されているのに対し、UA328ではインレット部分が飛散しアクセスパネル以外のカウル構造全体が飛散、落下している点だ。これが市街地に部品が降り注ぐ衝撃映像として報道されたが地上で人的被害がなかったのは幸いだった。
ではトラブル直後のエンジンの状態はどうだったのだろうか?次に飛行中の事故直後の様子を比較してみよう。


JL904便の事故発生後、機内から撮影された飛行中のエンジンポッド



UA328便の機内から撮影された飛行中のエンジンポッド


アングルは異なるがJL904が火災を起こしていないか、消火に成功したのに対してUA328便では火災を起こしながら激しく振動しながらファンが回転していて、この間にもエンジン部品などの継続的飛散が確認される。明らかにUA328便の方がクリティカルな情況にあったことが伺われる。
何がこの違いを生んだのろうか?


地上に落下したインレット部分

個人的にはこのエンジンポッドの先端に位置するインレットのリップ部分にその原因があるのではないかと思っている。
よく地上に落下してもほぼ原型を留めていると思うけれど、よく見ると円周の一部に鋭利に切断されたような傷があることがわかる。
おそらくこの部分が飛散したブレードの先端によって切断され、空気力とダイナミックバランスが崩れたことによる振動で接合部分に沿ってせん断破壊が起こり、リップ部分が破断して落下したためにラム圧を受けて内部から破壊されるようにポッド全体のパネルを吹き飛ばしたのではないだろうか。またこの破壊により消火装置の作動も困難になり、燃料のシャットオフもできず火災が維持されたのではないか。
最終的な事故原因は今後の詳しい調査を待つしかないが、同じPW4000のトラブルでも度合いが異なるのは起きた時点での作動情況の違いが、この違いを生んだのではないかと現時点では思っている。
いずれにしてもエンジントラブルはCATに繋がる重要インシデントだ。ボーイングにもFAにもMAXの轍を踏むことなく、真摯な事故対応を望みたい。


コロナ禍での需要の減少にともない退役が早まっているB777だけれど、果たして南ぬ島石垣空港でその勇姿を再び見ることができるのだろうか。
たまにB787が来るけれど、ほとんどB737-800になっている今日この頃だ。





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続くPW4000系トラブル
2021/02/23 19:06:05 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

米 旅客機のエンジン燃え住宅地に部品落下 けが人の情報なし


2021年2月21日 18時27分

アメリカ西部コロラド州で、飛行中の旅客機からエンジンの部品が複数、住宅地に落下しました。これまでのところけがをした人の情報はなく、NTSB=国家運輸安全委員会が事故の原因を調べています。




先日、昨年の12月4日に発生した那覇発JAL904便のエンジントラブルをとりあげたばかりだが、まったく同じようなインシデントがユナイテッド航空UA328便で発生している。
どちらもB777-200でPW4000系のエンジンを搭載している。




以前から何度も見たことのあるような映像だが、今回はカウルごと脱落している上に消火に失敗しているようで振動しながらエンジンが炎上している様子が機内から窓越しに撮影された動画からみてとれる。
同じPW4000系の似たようなトラブルに見えるが、JAL904便に比較してかなり大きなダメージだ。



またデンバー国際空港を離陸直後というタイミングもあり、エンジントラブルによって飛散した大型の部品が民家や市街地に降り注いだ様子が数多くの映像から確認できる。
エンジンカウルのリップ部分がそっくりそのまま落下しているのに、ほぼ原型を留めているのは興味深い。



エンジンナセルのパネル類だろうだろうが、ひとところに集まっているのは、不自然なので誰かの手によって集められた結果なのだろう。人口密集地帯上空で起きたトラブルだけに地上での死傷者が出なかったのは幸いだ。

以上の報道された大まかな情況からみると今回はJAL904と同様な原因(おそらく低圧ファンブレードの破壊に端を発したエンジントラブル)と考えられるが、機体に与えたダメージは今回のUA328便の方が大きく、破壊のメカニズムやトラブル前後での対応などを検証してみる必要があるように思う。
同じPW4000系のエンジンでトラブルが繰り返していることを見るとチタン合金できている低圧ファンブレードの素材や製造過程での問題、運用状態での腐食や疲労ストレスが当初の予想を上回っている等の問題があるのかも知れない。
現在、FAAは同系列のエンジンを搭載した機体にEADを発行して即時点検を指示している。また、これにともないJAL904のインシデントにより既にチェックを行った国内のJALもANAも国交省の指示に従って同型エンジンの搭載機の一時運行を停止し、今後の推移を注意深く見守ることになりそうだ。エアラインにとってもコロナ禍で運行の少ない今のうちにエンジン問題を収拾したいものだ。





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スリウィジャヤ航空SJ182便
2021/01/11 14:43:32 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調
1月9日、インドネシアでB737-500の墜落が確認された

インドネシアの国家運輸安全委員会(NTSC)は現地時間1月10日、ジャカルタ北方のサウザンド諸島(セリブ諸島)で9日に消息を絶ったスリウィジャヤ航空のジャカルタ発ポンティアナック行きSJ182便(ボーイング737-500型機、登録記号PK-CLC)について、墜落したと認定した。




 SJ182便はジャカルタを午後1時40分に出発予定だったが、現地報道によると悪天候で遅れた。航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、午後2時36分に離陸し、サウザンド諸島上空で同40分に高度1万900フィート(約3322メートル)を記録後、同時刻に高度250フィート(約76メートル)まで急速に高度を落としており、墜落したとみられる。10日の現地報道では、機体の破片が引き上げられた様子が伝えられている。





まだDFDR等は回収されていないので、爆発音を聞いたり近くに落下したと伝える目撃報告がある以外、Flightrader24の情報しかないが、これを見るとかなり特異な情況が示しされている。
離陸後4分、11000ftまでは正常に上昇していた機体がゆるく左に旋回しだしたかと思うと今度は急激に右に方向を変えて急降下。急激に高度を落としほぼそのまま海面に激突する様子が示されている。



この赤の点線の時点で何が起こったのだろうか、30秒で10000ft以上の高度低下。それは飛行機として制御された降下ではなくターミナルダイブ、すなわち自由落下である。
言い換えれば、その時点で航空機としての飛行能力を一瞬にして喪失したことを意味していると考えられる。
実際、この急降下にも関わらず飛行速度も同時に下がっていて、頭を下げてダイブしたわけではない様子がうかがえる。下がった飛行速度は途中から急激に再び上昇に転じ海面激突時には350kt超を示しているが、飛行能力を失った後のデータだとすればこの速度はどの方向への数値か、また正しいのかも不明だ。


回収されたとされる当該機の部品


引き上げられ調査されるCFM56エンジンの一部と思われる

正確な原因究明にはデータレコーダの回収、解析を待つしかないが、対象機体はB737-500でクラシック機であることから26年という機齢による経年劣化や疲労、整備不良などは考えられても、同じインドネシア機でもライオンエア(JT610)のB737MAXのような問題はなかったものと推測される。

また、この緊急信号も出す暇もない情況から、エンジントラブルなどの原因は考えにくく、一瞬で起こった主要構造の大規模な破壊を思わせる。
これが爆破テロ、撃墜などの人為的な破壊ではないとすれば、同型の経年機に対して横並びで反映させるべき事象につながる可能性がある。
すでにB737-500は国内で現役を退いているとはいえ、いち早い原因究明が待たれる。






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JAL904便エンジントラブルについて(7)
2020/12/29 12:17:34 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調




今月4日に発生したB777-200(JAL904便)のエンジントラブルによる重要インシデントについて調査していた運輸安全委員会から調査情況の報告がなされた。




これまでの調査で、左側エンジンのファンブレードが破損していることがわかった。22枚装着されているブレードのうち、15番ブレードは中程、16番ブレードは根元付近から破損しており、16番プレートの破面には疲労破壊の特徴である貝殻状と放射状の模様がみられた。

エンジンはプラット・アンド・ホイットニー社製のPW4074型で、左側エンジンのファンブレードの総使用時間は43,060時間、総飛行回数は33,518時間だった。 






とのこと。飛行時間はブレードではなくエンジンか機体自体の総使用時間ではないかと思われ、飛行回数の単位もおかしいけれど、前段の疲労破壊の特徴である放射状の痕跡は下記の写真から真実と考えられ、基本的にはこの事象は根元から折損した#16ファンブレードの疲労破壊から始まり、隣接する#15ファンブレードも飛散した#16に当たって途中から折損し、先端部分が飛散したものと思われる。



報告によると黄色の起点から赤い点線の範囲が疲労破壊の進んだエリアと考えられる。アール部の反対側にもクラックのようなものと縞状の筋が見られるので、こちら側にも疲労はあったのではないかと思う。




エンジンのケーシング内部にもブレードの飛散によると思われる大きな損傷が見られる上
インレット構造のハニカムや外板にも振動によると思われるダメージが見られる。





その他、ナセル、水平尾翼、胴体などの損傷箇所の写真とともにダメージの情況が示されているが、写真で赤丸をつけたナセルINBDの損傷については記述がなく、これが飛散したブレードの跡だとすると重要なポイントであるにも関わらす、なんら記述も説明もないのは少々、不自然に思われる。
また発表された傷の情況からすると水平尾翼前縁のINBD側の穴は硬いものが突き抜けたように見えるため水平尾翼内部に何か痕跡が残っていないのかが気にかかる。飛散したブレードが内部に残ってはないだろうか?



このナセル内側の傷についても言及がないのは不自然だ



いずれにしても事故の発端は低圧ファンブレードの疲労破壊による折損であり、搭載されたPW4000エンジンに起因するものであることは疑いないと考えられるが、ファンブレードやエンジンカウルなどの失った部品の回収情況やエンジン内部の損傷情況、飛散のメカニズムなどについはいまだ不明な点が多いので、再発防止のためにも今後の詳細な報告が待たれる。

いずれにしても、これだけの損傷を受けて人身事故にならなかったのは、その後の適切な対応も含めて幸いだったいうことだけは確かに思う。
今年はコロナ禍で航空機業界にとっては散々な年であったが、大きな人身事故がなかったのがせめても救いだ。
とばっちりのようにB777の退役も早まってしまったがコロナも飛行機も安全が保障されて始めて繁栄が約束される。ゆめゆめ、整備費をケチることだけは無きようお願いしたいと思います。






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B737MAX飛行再開
2020/12/11 10:22:34 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題




FAAの型式証明を再取得したB737MAXのブラジルでの運行再開がAFPに報じられていました。2度の墜落事故を起こしたMAXの重大欠陥についてはこのブログでもたびたび扱ってきましたが、飛行停止以降におきた世界的なコロナ禍による航空需要全体の落ち込みの方が喫緊の関心事となり、メディアでも同機への安全対策や飛行再開については話題にものぼらなくなっていました。
この記事では

【12月10日 AFP】米航空大手ボーイング(Boeing)737MAX型機の運航が9日、ブラジルの国内便で再開された。2度の墜落事故を受けて停止されていた同型機の運航は約1年9か月ぶり。搭乗したAFP記者によると、同便は特にトラブルを起こすことなく目的地に到着した。

と報じられ、ボーイングの機体がトラブルなく目的地に到着することが記事として書かれるくらいですから、いかにこの機体が同社の信頼を失わせたかが伺い知れます。


MAXの運行を再開させたブラジルのGOL航空機

同型機は計346人の死者を出した2度の墜落事故を受け、昨年3月に全世界で運航を停止。ただ、同便が再開後初の便である事実はゴル航空の乗員から乗客に伝えられず、大半の乗客は機体先頭部に書かれた型番に気付くことはほぼなかった。 乗客の一人は、良いフライトだったとしながらも「機体の過去については知らなかった。私たちに知らせるべきだったのではないかと思う」と語った。(c)AFP

ということは機体に描かれたMAXの文字はそのままの飛行だったことが推察されます。
本機については、情報の知れ渡っている先進国においては乗客から忌避されることを懸念し、改名の措置がとられたり、嫌う乗客には他機種への振り換えに対応するなどの処置を検討している航空会社もあるようなので、コロナ禍で政情も不安定なブラジルならばいいだろうとの裏事情を勘ぐれなくもないです。今後はこうした敷居の低いところから再開されてゆくことを望んでいる関係者も多いのではないでしょうか。
(どうやら下記にリンクを貼ったLosAngeles Timesの記事を読むとGOL航空でも乗客が望めば機体を替えてはくれはするようです)


Boeing’s 737 Max fleet is back in the air two years after two crashed


しかしながら、見切り発車はやめていただきたいものです。それまで民間エアラインで絶大な信頼を築いてきたメーカーのボーイング社と承認をするFAAとの結託が問題になった航空機であることを踏まえ、「AOAセンサーを二重にしました」程度の簡略な説明ではなく製造者と認可者の分離独立という組織的な改変が確実に実施されたことから明らかにし、十分な安全を確保した上で再開に望んで欲しいものです。

本機についてはANAも最大30機を発注しています。
その後のコロナ禍という津波の存在により、お家存続のための立て直し策真っ最中でそれどころではないのかも知れませんが経営建て直し策のひとつとして今ある機体の整理や発注機の見直しがあるはずで、既に大型機の売却が予定されていますが、いずれMAXの発注についても協議されるでしょう。
コロナ禍による民間エアライン全体の健全化についてもですが、MAXについては別途、機体側の問題として今後の動向に注目したいと思います。






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