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B737MAX復帰に関する「カナダからの手紙」
2019/11/26 21:09:34 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 MAX問題

ボーイングから示されている、B737MAXの空への復帰のストーリーについては、多くの航空関係者から疑問が投げかけられているが、今週カナダの航空安全規制当局の上級エンジニアから発せられたメッセージとしてシアトルタイムスがこんな記事を載せている。




ちょっと解釈としては乱暴だけれど、端的に言えばボーイングが提案しているようにソフトウェアをいじって安全が得られるとはとても思えず、MAXの復帰を前向きに考えるならMCASなんか取り去ってしまえということだと思われます。
なかなか米国内からでは言いたくても声を上げられない雰囲気なのだろうけど、カナダからの発言として記事を載せていることで国内の識者からも同様の指摘のある問題であることを感じさせます。




MCAS has to go!という言葉、以前もblancolirioチャンネルのBrowneさんも言ってたような気がします。
そして、公聴会での感想としてマレンバーグCEOもどっかいっちゃうべきだって言っていたように思います。
2度の深刻な事故後の対応としてボーイングの取った対応はあまりに不誠実なもので、安全を託す側の信頼を裏切るものでした。
報道で扱われる内容もMAX復帰へのシナリオと株価ばかりでは、事故原因が航空の安全に資するどころか、亡くなられた方々も浮かばれません。前回、指摘した安全確保についての疑問についてもボーイングはいまだに何も言及していないのです。
そして彼らを監督し承認する立場であるはずのFAAも、ことこの件については彼らに評価はできないと断言されたまま形無しの状態が続いているのです。
かくして毎回、提示される復帰までのスケジュールは絵に描いた餅で、実際どのようにして安全を担保し空に戻すのかについては五里夢中といった感じで独り言やお経のように聞こえます。





確かにプログラムをいじっても簡単に安全が証明できそうにはないMCASなど取り去ってしまえばいいと考えるのは無理からぬことだ。あれだけ酷いMCASを手直ししたところで、潜在しているバグが取りきれるかどうかわからないし、もともとアナログ機だったB737−100が設計された当事のボーイングの設計思想からも反しているものなのだから。
もし初心に帰りMCASに頼らず、iPadによる畳上の水練でお茶を濁すこともやめてシムや実機を使ったHighAOAでの十分な転換訓練を積んだパイロットに飛行を任せることで、NGと同程度に安全に飛ばせる代物なのであれば、今からでもそうしたいに違いない。
だが、MAXはライバル機であるエアバスA320neoとの関係をにらんで燃料効率を上げるためNGまでとは異なる大口径のLEAP−1Bエンジンを積み、NGとは異なる縦の静安定特性を持ってしまった。
そこで急遽、対策に迫られ装備に至ったのがMCASなのだから、いまさらこれを取り去るということは、根本的に機体の空力特性を既存機と同程度まで改善せねばならないという新たな問題にぶつかることになるだろう。
既存のB737との静安定の違いを覆い隠し、同等とするためのMCASを取り去ってしまっては、耐空性の要求する静安定の条件に合致しなくなるばかりか、転換に要するコストカットの切り札「MAXは既存のB737シリーズですよ」というストーリーも壊れてしまうのだ。





そうなれば大きなコストも期間もかかってしまう。能力のあるシニアエンジニアたちをまとめて解雇してしまった後では、その能力がこの会社にあるかも問題だ。来年の1月や2月で解消できる問題ではなくなってしまうに違いない。
果たして、この状況で生産を続け、追加の受注や新型MAX10の発表などしている場合なのだろうか。
同記事によればカナダ運輸省の航空機統合および安全性評価のエンジニアリングマネージャーであり、同機関の30年のベテランであるジムマルコからのメッセージは連邦航空局(FAA)、欧州連合航空安全局(EASA)、およびブラジルの航空安全規制機関に、いくつかの技術的ポイントを説明した添付プレゼンテーションとともにこれらのメールを送信したそうです。
受け取った側も素人ではない、そうそうたるお歴々の方々です。おそらく同じ疑問を抱いているであろうとは思いますが、この文書を読んだ彼らの対応が知りたいものです。

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この状況で単独で滞空証明を発行するFAAの立場がまったくわからないが、今までのようにボーイングに依存しないという意味なのだろうか









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市場に広がる楽観視の危険
2019/11/13 12:13:36 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題

ボーイング株が大幅高−737MAX運航再開に向け詳細な計画示す

11日の米株式市場でボーイングの株価は大幅高となった。旅客機737MAXの運航再開に向け、より詳細な計画を示したことが好感された。計346人が死亡した2件の墜落事故を受け、737MAXは3月から運航停止となっている。

  米連邦航空局(FAA)は、設計を改めた飛行制御ソフトウエアを12月半ばまでに認証する方向にあると、ボーイングの広報担当ゴードン・ジョンドロー氏が電子メールで明らかにした。認証を確保すれば、納入されず太平洋岸北西部やテキサス州に置かれたままの新しい737MAX機の引き渡し開始に道が開かれ得る。






ボーイングから聞かれるのは、2度のフェータルな墜落事故に至る具体的な説明でも安全性への説明でもなく、いつ空に復帰させるかという希望的観測のみだ。
毎回、述べているけれど、ボーイングをこのまま衰退させるわけには行かない現実の問題はあるにせよ、経済的事情と空の安全を確保する問題は別だと考えるべきだ。
このMAXを墜落させた原因について多くの疑惑や証言があるにもかかわらず、運行再開に対する期待値で株価があがったからもう大丈夫、そんな空気が市場にあるのだとしたら実態とその期待値との間には絶望的落差があることを指摘したい。

どうして、このような事故が連続して起こったのかについて、「我々は間違った」と言いつつメーカーであるボーイングからも、またそれを承認したFAA側からも経緯の詳細が述べられてはいない。
すなわち、ポイントは墜落した飛行機の根源的な原因を放置したまま、最終的に墜落の引き金になったソフトウェアをいじりましたから、これからはMAXはもう大丈夫です。と、言われて簡単に信用して良いものなのか、だ。
大きな過ちがあっても気づかず承認してしまう方々の発言をそこまで信じるのは、根拠のない自信というか、安全神話の妄信としか映らないではないか。





もちろんMCASも問題のシステムだが、これが報告も審査もされずに通してしまった認証プロセスの欠陥には目をつぶり十分な原因究明も対策もないまま、MAXを空に戻すことは個人的には自殺行為だと思っている。ほかにも同じような問題が何も無いといえるのだろうか。
更に今後の機体開発も同じ調子で大丈夫なのだろうか。
楽天的な復帰への希望的観測に対して、今まで指摘してきた事柄を踏まえ疑問を投げかけるとしたら・・・

・アルバイトにつくらせているソフトウェアのコードの欠陥を経験あるエンジニアを辞めさせてしまった今、誰が正しく修正するのか?

・FAAに機体を審査する能力がないことが指摘されている今、修正したといわれたプログラムについて誰が適性な審査するのか?

・NGと同じですよ、と機体への改変も情報公開もされぬまま、つんぼ桟敷に置かれていたパイロットたちへの正しい情報提供や訓練も含めMAXへの信頼をどのように取り戻すのか。

・MCASについて承認手順にミスがあり、現時点でMAXは耐空性を有していない。
これを今後、どのように確証をもって承認してゆくのか具体的手順が示されていないではないか。

・MCASをカットすれば縦の静安定の条件を備えず、これをMCASで担保するなら既存のB737シリーズとは異なる航空機となる。非常時にMCASをカットして飛行して良しとする根拠が見当たらないではないか。

・コスト優先で現場での不具合報告や専門家の忠告に耳をかさない技術に無頓着な経営体質をどのように今後、改善し航空機の安全を担保してゆくのか。

・運用再開に際して、MAXを利用する顧客に対し、どう納得させるのか。
素人は乗る航空機に内在する欠陥や対策の妥当性なんてわからないし、知らせる必要はないと考えているのだろうか。

・・・



少なくとも、乗客を乗せて運行を再開するつもりがあるのなら、そうした周辺の不安材料に触れ、この航空機の安全確保の見通しを示してほしいものだと思っている。
また運行再開するにしても本国アメリカからの再開になるので、欧州のEASAやカナダは運行停止を続け自主的に独自に安全性を確認しながら、注意深く様子を見守ってゆくものとみられる。
言い換えれば、MAXの安全性についてアメリカ国民が試金石になるという歴史上、稀なケースになると言えるだろう。

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