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JT610事故中間報告書の内容
2018/11/30 01:51:01 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

先日のライオンエアJT610の事故から1ヶ月が過ぎ、インドネシアの調査団による中間事故調査報告が発表された。
FlyTeamなどの情報は簡素なサマリーだが、ここにPRELIMINARY KNKT.18.10.35.04 Aircraft Accident Investigation Reportと題されたその報告書の原本がある。
調査報告書


その中に事故機から回収されたFDRのデータが記されているが、前項と比べてみると、どうやら先日のリーク情報は事前に流出したホンモノだったようだ。
また、このFDRを専門家によって分析、解説した詳しい情報がここにある。

この方は専門家で、きわめて的確に問題を指摘している



基本的にはFDRリーク情報が確かなものだったので概要は前回、判断したとおりなのだが、機長とFOのAOAセンサーの指示値には、テイクオフ直後から約20度の差があり、その後の飛行でも維持され、飛行中でもそのままだった。
ベーンの取付角やキャリブレーションの問題なのだろうか。
また機長のスティックシェーカーは、ほぼテイクオフから飛行中ずっと作動していたことになる。
この間、誤った機長側のAOAの信号にもとづき失速防止のため自動的にノーズを下げようとする機械(MAXで追加されたシステムであるMCAS)と正常のトリムに戻そうとする人間(パイロットたち)との繰り返された格闘の跡が黒丸のつけられたエリアに示されている。お互いにカードを切りあっているようで背筋が凍る。




また前回ほぼ合致している思っていた速度計の読みも機長とFOで15ノットほど違うとの指摘もしている。AOAと関連しているということか。


そして、きわめて重要なのは、同じようなことが前日のフライトでも起きていることが報告されている点だ。
この28日のフライトでも同様にスティックシェーカーが作動したがMCASをカットオフして無事にフライトを終えているのだ。
もしこのときの対応がもう少し慎重であれば、今回の事故は防げたかも知れないと思うと大変、残念なことだ。
報告書には前日の10月28日のFDRのデータも併せて記されている。




これが、前日のFDRデータだが、このときも全く同様にスティックシェーカーが作動し、AOAセンサーの指示値には同様の差があり、更に異常な降下も見られるのだ。
しかし、このときは幸いにパイロット主導に切り替えて事なきを得ているが、翌日にも原因が分からないまま飛ばし、同様の不具合を経験し、カットオフしなかった(できなかった?)ことで海に墜落という悲劇を招いてしまったことになる。

今回の中間報告では今まで調査した内容報告に留まり、根本的な原因の究明や設計にフィードバックするような示唆はない。
まだ調査の途中で強力な手がかりとなるCVRの捜索も海底にパイプラインがあって難航しているなど、詳しくわからないことは山ほどあるが、少なくとも故障を知りながら根源的な原因究明をせずに飛ばしたライオンエアにも、MCASの特性やSTABがRUNAWAYしたときの対処の方法についてエアラインにもパイロットにも充分知らせていなかったボーイング社にも、AOAセンサーの不良との想定だけで修理した整備にも、操縦者の引継ぎの方法にも、それぞれに問題点があるのは明らかなように思える。

現在、MAXについて飛行停止などの措置はとられていないが、付け足したインストラクションだけで安全対策として充分なのかは疑問が持たれるところだ。
早く、根本的な原因を究明して次世代の主力機でもあるMAXの飛行の安全を確保してもらいたいものである。
機械と人の主権争いによる事故では先輩になってしまったエアバス社が、この事故をどう見ているのかも気になるところだ。





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FDRデータ発見?
2018/11/26 03:24:20 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

ライオンエアの事故機JT610のFDRのデータだといわれるものがネット上にリークされていた。
正式な発表ではないので出所は分からないけれど、これがホンモノだとすると興味深い。




これだけから推測するストーリーは一つの仮説に過ぎないが、素直に鵜呑みにするとすれば、この飛行機は既に地上滑走で引き起こしした瞬間からAOAセンサーの指示値には左右で20度もの差があり、機長側のスティックシェークが始まっていてコラムの操縦力は激しく振動、MCASはトリムを下げようとしているのにパイロットはコラムを引いて機首をあげようとしていた様子が伺える。

それでも5000ftまでは上昇し、フラップを収めると一時、スティックシェークは止むが、またすぐに始まってフラップを再度下げるなど格闘している状況が伺え、最後は頭を下げようとするMCASと頭を上げようとするパイロットの戦いを続けながら墜落に至ったのではないか。
CVRはもとよりエンジンパワーや姿勢データなど必要な情報のごく一部しかないので、なんとも言えないが、そんな印象を持つ曲線だ。

人間優位。ボーイングの機体設計哲学もMAXにいたって新しい時代に足を踏み入れたということなのかも知れない。
国内で使用されている他のB737NG機も本当に大丈夫なのだろうか、早期の情報公開を望みたい。








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MAX事故のその後
2018/11/26 02:22:30 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

MAXの墜落の情報から思い起こされることはエアバス機の操縦系統にコンピュータを介在させたハイテク機ゆえの事故ではないだろうか。
エアバス機は初期のころ、そのコンピュータに依存した飛行制御によりパイロットとの認識の違いから人と機械が喧嘩になってよく事故を引き起こしていた。





それに近いものがボーイング機でも起きたということではないのか?そんな危惧を覚えた。

今回の最新鋭のB737MAXの事故の記事を読んでいたら

Boeing Didn’t Tell Doomed Lion Air Pilots About Dangerous Systemと題した興味深い記事を発見した。

まだ早期見解も発表されていないので、正確には28日に出されるというその報告を見るしかないが、どうも今回の事故で疑われているのはMAXに装備されたMCASと呼ばれる下記の装置のようだ。



事故の発端になったのはAoAセンサーの誤った信号のように考えられているが、そのデータをもとに実際にアシストをするのはこのMCASの機能によるものらしい。
クリーンな状態でマニュアル飛行中、大きな迎え角を検知すると失速を防止するためにMCASはノーズを下げるように働く。今回は失速角のような大きな迎え角ではないのにAoAセンサーからの誤信号により、ノーズダウン機能が働いたのではないか、と疑われていると同時に、その記述がフライトマニュアルにないことがボーイング社への批判にもなっているようだ。




事故後に、このAoAセンサーがフェイルした際のMCASに関しての技術情報を出し注意を喚起しているので、ボーイングとしても今回の事故はこのMAXに加えられた新しい機能に関連している可能性が高いとみている様子が伺える。
また、この情報もB737−8/−9に対してのみ出されているのでNG機を含めて他の従来機については問題ないとしているようだが、詳細についてはFDRの解析結果が待たれるところだ。




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JT610墜落その原因に迫る
2018/11/24 01:54:25 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

インドネシアで起きたライオンエアJT610便、B737MAXの事故は現在、国内で運行しているB737−800のNG機とは直接、関係がないかもしれないが今後のエアラインを担う最新の機体だけに事故原因に関心が高まるところだ。



前回、海底から回収されたフライトレコーダーの解析結果を含めた報告が出されれば墜落の概要がもう少し明らかになるだろうと書いたけれどもBloomberg紙によれば、来週28日にも早期の見解がインドネシアの運輸安全委員会より示される予定だそうだ。



ボーイング社CEO Dennis Muilenburg氏

同誌にはボーイング社に対して「意図的に問題になっている迎角センサーからの誤った信号による頭下げというMAXの持っている特性に関する情報を充分開示していなかったのではないかとの指摘に対するボ社CEOのコメントも載せられている。

CEOはパイロット労組の批判のほか、機体の翼が揚力を失いつつあると疑われる際に飛行制御システムが作動して機首が下がる場合があることを同社は広く開示していなかったとの米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道に反論している。



テイクオフしてから墜落までの当該機の高度、速度のデータはFR24によれば上のグラフのとおりである。これを前日の飛行経路と比較したものが下のグラフだ。


明らかに、まともな上昇経路からは逸脱し、2000ftあたりで急激に降下しているのがわかる。その後5000ftまでの上昇をリクエストし到達してはいるが5000ft付近においても高度、速度ともに不安定な状況が続き23:32あたりで急激な降下をはじめそのまま海に突っ込んだように見える。
これではそこまで分からないが海面に突入したときには600mileとの記述も見られる。


同機はそれ以前の3回の飛行において計器の異常がみられ、同様の降下があったとの報告もあるので、気象とは考えにくく現在、迎角センサーからの誤った信号により表示や姿勢が異常な状況になり、パイロットもこれらに対応しきれずに墜落に至った可能性が考えられる。
同型機の安全性が担保されるよう28日の報告に注視したい。



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いま航空機のエンジンになにが?
2018/04/24 03:13:20 ブログカテゴリ オタク | 書庫 事故調

サウスウェスト1380便のファンブレードの破壊を調べていたら、以前のエールフランス66便のエアバスA380のエンジンが爆発した事故を思い出した。
そのときはなぜ低圧ファンが脱落したのか見当がつかなかったが、SWA1380便の事故を見ていたら似ていると思ったのだ。




このときのエンジンはCFM56ではなく、GEとP&Wの合弁企業であるエンジンアライアンスが開発したGP7200だが、爆発したのがタービンブレードではなく、一枚のファンブレードの飛散から破壊が始まったとすると同じような破壊の仕方をしたのではないだろうか。




完全にシャフトから切断されファンディスクごと脱落している点ではCFM56とは異なるものの周辺のインテーク構造まで飛び散っている破壊の様子を見ると、ブレードの脱落、ダイナミックバランスの喪失による激しい振動、インテークダクト構造の破壊、リップもろとも飛散という今回と似た図式があてはまりそうだ。





この主翼後部から見た当該エンジンの写真を見るとカウルはオイルで汚れているものの大きな爆発を起こした気配はない。
同じようにファンブレードが飛んだ結果と考えると、この辺りはCFM56とGP7200の設計の違いによるものだろうが、詳しく見てみないとわからない。

個人的に今まで、エンジンが爆発するというのは高温高圧に晒されるタービンブレードが破壊して起こすものと想定していたが、今回、低圧のファンブレードが飛んでも、そのファンブレードがエンジン内部に吸い込まれて爆発したり、質量の大きなファンブレードの喪失で失われるダイナミックバランスにより生じる激しい振動荷重によりインテークの構造そのものを破壊してしまうことがあることを学んだ。

また、このように高温高圧にも晒されないダクトをまとった単なるプロペラと考えていたファンブレードが金属疲労で破壊するほどのストレスを受けていたことに驚いた。
プロペラ機でもプロペラの付け根部分には大きな曲げや引っ張りはかかっているものの、プロペラが飛散する事故は思うほど実例がないからだ。

そういえばB737のCFM56、A380のGP7200の話のほかに、B787のトレント1000のETOPS見直しのADも発行されている。
見直しの根拠がエンジンの信頼性への疑義だとすると由々しき問題である。


繰り返されるエンジン不具合による米軍機の予防着陸。そして相次ぐ旅客機のエンジントラブル。
いったい今、航空機のエンジンに何が起きているのだろうか?







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