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B737NGの取付金具に亀裂
2019/10/16 03:59:07 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題

ボーイングは運行停止中のB737MAXの問題もある中、新たにB737NGシリーズの主翼のスパーと胴体を結合するピクルフォークというフィッティング金具にクラックが見つかり、対象となる30000サイクルを超えるNG機に点検指示が出された。
MAXの場合と異なり、今回は石垣島にやってくるJTAやANAでも使われており、また広く日本でも運行されているNGが対象であるだけに対岸の火事では済まない。内容を少し調べてみよう。



今回、亀裂が発見された機体は35000サイクルを経過した経年機において旅客機を貨物機に改修する際に発見されたもので、主翼の荷重を前後胴体へ伝えるピクルフォークと呼ばれる部品に約1インチほどの亀裂が入っていたという。







この件をトリガーにしてFAAからは10月3日付けで該当するB737NG機については7日以内に点検するようにADが出され、さっそく810機を検査したところ38機に亀裂が見つかったという。



問題の部品、ピクルフォークは上図のような下向きのV字型の形状をしており中央のボックススパーのウェブ前後左右の4箇所に取り付けられて主翼と胴体の荷重伝達の役割を担っており、通常はセーフライフ設計といい、本来90000サイクルにおよぶ機体設計寿命まで交換なく使用できる設計となっているべきものだ。





上図の赤丸が発見されたピクルフォークの亀裂位置だ。具体的に亀裂発生のメカニズムはまだわかっていないが、当初推定されていた90000サイクルの1/3程度の繰り返し荷重によって亀裂が生じてしまったものと考えられる。
今回、点検の対象となった30000サイクル以上の機体に対してクラックの発生率は38/810で4.7%だからかなり大きな比率と言ってよさそうだ。
これが製造時の問題なのか運用の問題なのか、はたまた設計そのものの問題なのかは不明だ。
尚、ボーイングは、今回の不具合はMAXや対潜哨戒型のP−8に関してはNGとは別物なので問題ないといっているが、クラシック機は別として、NGで再設計された主要構造がこれらで大きく異なっているとも思えないので、運行停止で飛べないMAXは地上で繰り返し荷重が増えないこと、軍用機であるP−8は民間エアラインに比べるとはるかに飛行サイクル数が少ないことをそれぞれ考慮して対象外になっているだけのような気もするのだが、両機とNGのピクルフォークの設計の違いがわかったら教えてほしい。



上図の丸印がL/H後部のピクルフォーク。このように製造時であれば金具全体の目視もできるが、この後、スパーには多くの配管や機器が取り付けられライン整備で当該ピクルフォークを直接目視チェックするのは困難で、ボアスコープでの点検になるようだ。




ホイールウェル内から覗いたピクルフォーク。削り出しの金物で、一見して大きな荷重を受け持っている屋台骨の一部であることがわかる。
ここで亀裂が発見されれば、修理するまで飛ばせないことになるが、主要構造部材の修理交換だけにかなり、やっかいなものになりそうである。
NGシリーズは世界の空で6800機も飛んでいる。今後、さらに経年によって、どのくらい機齢やサイクル数の機体にも亀裂が発見されるのかにもよるけれども、エアラインのドル箱路線に与える影響、修理に当たっての期間も費用に関しても膨大で、今後MAXの復帰問題を抱えるボーイングにとって頭の痛い問題のひとつになりそうだ。

国内のJTA機に関してはー400の後継機としてB737−800NGを新機12機を導入したばかりであり、現時点において点検対象になる機体はないが、ANAHDでは対象機が8機程度ある模様で、これらについても今のところ亀裂の存在は報告されてはいないけれど、問題が飛行安全に関わる重要部位であり且つ経年に伴う疲労問題であることを考え合わせるとB737NGシリーズを運行するエアラインにとって将来に向けて時限爆弾を抱えることになりそうだ。
今後あがってくる点検の結果からその原因や特定の製造ロットが確認されれば、将来の可能性の予測したり、あらかじめ手をうつこともできそうだが、現時点では全体像をつかむことは難しく今後の調査結果を待つしかない。


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