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都の日暮れ660
2018/04/21 18:24:08 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
都の日暮れ 660

倉田洋平は持っていたカバンを開けた。そして白い封筒を取りだし、これを兄の洋八から智恵子さんに渡すように言われております。お受け取り下さいと言い渡した。洋平が、中には二千万円の小切手が入っております。智恵子さんは兄の洋八に今度初めて会ったと言っておりました。それで、これは兄の洋八からではなく、亡き私の母親から、結婚式の時に渡す積もりのお祝儀だったと思われます。それを兄がずっと預かっていたものと思われます。智恵子さん、改めて母親からの小切手とさせて頂きます。それから洋平は二つの大きな包みを取りだし、智恵子と奈津子に、これは私からの餞別です。五百万円が入っております。奈津子さん、これを美容整形手術費用の足しにして下さいと言った。また智恵子はハンカチを取りだし泣いた。小さな声で、ありがとうございますと言った。洋平はカバンからグリーンのブローチを取りだし智恵子に渡した。このブローチを見て時々私を思い出して下さいと言った。洋平はそれでは御元気でと言い立ち上がった。私は空港のデッキから二人を見送って
帰ります。と言った。そして智恵子と堅い握手をした。温かい手だった。それから最後に、機内でお読み下さいと言って小さな封筒を渡した。洋平は智恵子の目を見た。智恵子の目は真っ赤だった。白い涙がこぼれていた。智恵子達が搭乗口に向かった。段段、小さく見えていた。 つづく


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都の日暮れ659
2018/04/21 15:52:00 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
都の日暮れ 659

倉田洋平は大体のところは話し終え、宮沢智恵子さん、これまでの事についてはあなたには何の責任は有りません。全ては私の不徳の致すところです。どうぞ、体には気をつけられて頑張って下さい。もう誰の目も気にせずに生きていかれて下さい。そして、万が一、お金に困った事があったら私を頼って下さいと言った。智恵子は、ハンカチを出して目に当てていた。黄色いハンカチだった。それから奈津子が、私、東京に行ったら、美容整形手術を受け、姉のように綺麗な女性になってきます。顔だけでなく胸もはち切れんばかりに大きくしておきます。洋平さん、楽しみにしていて下さいねと言って笑った。段々、出発が近ずいていた。
つづく


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都の日暮れ658
2018/04/21 12:59:19 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
都の日暮れ 658

倉田洋平はしっかりカバンを抱えて全日空出発待ち合いロビーで宮沢智恵子達を待っていた。暫くして宮沢智恵子と奈津子の姿をが見えた。余裕を持って来たものと思われる。全日空カウンターで搭乗手続きをしたあと洋平に気が付いたようだった。三人は時間まで喫茶店に入った。智恵子がわざわざお見送りまでして下さいましてありがとうございましたと言った。智恵子のベージュのスーツが一段と引き立たせていた。洋平は今後の簡単な予定を話し、兄の洋八の退院後の介護は引き続き友坂理恵がみることになったと言った。それから洋平は、母親が住んでいた実家の土地と建物を倉田総合産業に買い取って貰うよう野中を通して進めていると言った。また、那覇の新都心にマンションを購入して兄の洋八はそこで生活するようになるだろうと言った。それから、兄の洋八は退院前に倉田総合産業を退職するだろうとも言った。じっと聞いていた奈津子が、友坂理恵さんが洋八さんの介護を為さるのねと呟いていた。それから洋平は自分も落ちついたら倉田総合産業を退職し野中と二人で母親
が残し、兄の洋八が相続した資産と自分の資産を併せて新しい事業を始めたいと言った。智恵子は頷きながら静かに聞いていた。
つづく


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都の日暮れ657
2018/04/20 18:38:01 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
都の日暮れ 657

倉田洋平は那覇国際空港に向かう途中の乗用車のセドリックの中で兄の洋八が宮沢智恵子に渡して欲しいと頼まれたあの二千万円について考えていた。あの二千万円は実は兄の洋八からではなく、亡き母親からのものではなかったのではと思った。兄の洋八は母親が元気の頃に、洋平の結婚式のお祝儀としてこの二千万円を渡す積もりであったのを実家で見て、預かっていたのであろう。実家の箪笥の中には幾つものお祝儀袋があった気がするのである。母親はあの美貌の宮沢智恵子が洋平の嫁になることを心底喜んでいた。そして、母親はいつか宮沢智恵子自身に多額の資産を渡す積もりだったに違いない。これも、夢のまた夢になり、母親は亡くなってしまった。綺麗な花が散るように去っていってしまった。洋平は最後にこうなったのも全ては自分の不徳の致すところと結論ずけていた。那覇国際空港の全日空の待ち合いロビーに向かった。
つづく


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都の日暮れ656
2018/04/17 16:47:41 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
都の日暮れ 656

倉田洋平は此処まで考えて胸が苦しくなっていた。そして、洋平は自分だけでなく宮沢智恵子もまた命の恩人に振り回された可哀想な一人の女性だと思っていた。それからずっとこれ迄の事を辿っていた。翌日はよく晴れた爽やかな日だった。洋平は紺のスーツを着、絹の真っ白いネクタイを締めた。白の封筒には二千万円の小切手とそれぞれの餞別の袋には五百万円を入れてバックに入れた。また、洋平は、グリーンのブローチを入れていた。また洋平は、宮沢智恵子宛に簡単な手紙を書いている。
長い間、いろいろありがとうございました。くれぐれも体には気をつけられて元気にお過ごし下さい 倉田洋平と書いた。そしてかなり早目に、那覇国際空港に宮沢智恵子と奈津子姉妹の見送りに急いだ。
つづく


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