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夢の彼方に35
2018/07/30 12:04:50 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
奈理子の叔父さんは続けた。これまで辺土名警察署や名護港警察署にかなりの目撃情報が寄せられましたが、まだ有力な情報がないようです。外部からの電話は全て録音しておりますと言った。そこで、小川伸介が、私の会社に最近から不審な電話が掛かってくるようになり、お前が犯人だろうと脅すのですと言った。湯沢陽一が、奈理子さんの家族との間で金銭問題のトラブルが事件と何か関連が有りそうですが心当たりは有りませんかと聞いた。叔父さんはそんな事は全くありません。兄も真面目にマグロ漁船で働いて送金していましたと言った。湯沢陽一と小川伸介はこのぐらいでいいだろうと思い、それぞれの名刺をおいた。帰りの車の中で、小川伸介が、あの叔父さんの左手のキズが気になる。細長くキズ跡が続いていたが、どうも歯で噛まれたようなキズ跡のように思えた。事件と関係が無ければいいがと言った。湯沢陽一はそうか、俺はその左手を見落としてしまったと言った。
つづく


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夢の彼方に34
2018/07/28 13:28:30 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
湯沢陽一と小川伸介が五反田奈理子の家を探すのにかなりの時間がかかった。かなり奥まった所にあった。コンクリートの三階建ての家だった。庭が広く周りは野菜畑が広がっていた。家を訪ねると静かで留守かと思われた。湯沢陽一達は帰ろうとしていた時、庭から五十代の男の人が現れた。怪訝な顔で警察の方ですかと聞いてきた。小川が、いや、警察とは関係有りません。五反田奈理子さんのその後の状況を知りたくて名護からやって来たと言った。そうですかと言い、家の中に招いた。湯沢陽一が私とこちらの小川伸介さんは名護港警察署に呼ばれ、事件についてかなり聞かれておりますとこれまでの警察との経緯をはなした。男は、私は奈理子の父親の弟です。実は、奈理子の父親はまた、遠洋マグロ漁船に乗り込みました。母親は心労の余り胃と腸の病気で名護にある北部総合病院に入院しています。かなり悪く手術を行いましたと言った。湯沢陽一達は静かに聞いていたが、小川伸介はこの時、この奈理子の叔父の左手をじっと見ていた。
つづく


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夢の彼方に33
2018/07/21 12:12:37 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
夢の彼方に 33

湯沢陽一と小川伸介は食堂の店主の地図を手に国道沿いを暫く歩き、五反田奈理子の通学道を見つけた。何だか畑道が続いていて思っていた林の道とはイメージがほど遠かった。車や自転車もゆうに通れる道だった。薄暗い危険な道では決してなかった。湯沢と小川は黙って道を進んで行った。暫くして三十代の男とすれ違った。すかさず小川が済みませんがあの女子中学生行方不明事件の現場はどの辺りでしょうかと聞いた。すると男は湯沢らをじっと見てまだ向こうです。白い小屋がありますのでそこを左に曲がった所ですと言った。礼を言いその白い小屋の所に行った。現場は特に変わった所でも何でもなかった。湯沢陽一らは今度は五反田奈理子の家を探す為に道を歩いていた。
つづく


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夢の彼方に32
2018/07/16 13:24:02 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
小川伸介は昨年の暮れからかなり精神的に参っていた。湯沢陽一はその辺りはよく知っていた。週末のその日、名護市役所前から湯沢陽一と小川伸介は辺土名に向かった。車内で湯沢陽一は小川にお茶を差し出し落ち着かせていた。湯沢陽一はその事件を電話の男は小川に何故に結び付けようとしているのかを知りたくなった。陽一が、小川、電話は又、掛かってくる。今度はわざと長く話しをして、最初から録音して私にそれを聞かせてくれ。そのあとで名護港警察署に届けよう。意外と捜査の参考になるかも知れない。電話を切る前に必ず、これから名護港警察署に行くと言っておけ。なあーに、小川、心配するなと陽一はなだめた。羽地を過ぎて大宜味村に入る。冬の海は真っ青だ。白波は高い。暫くして、辺土名が見えてきた。まず湯沢陽一達は辺土名海洋中学校に行ってみた。週末のため校庭でサッカーや野球等を思い思いにやっているのが見えた。陽一達は学校内には入らなかった。学校近くの食堂で沖縄そばを食べた。陽一が店の主人にあの事件について何か聞いていないかと言った
。店の主人は、辺土名中の人が何らかの形で調べられたねと云い、事件当事事件現場近くの国道の工事作業人達が特に調べられたと聞いてはいるが、五反田さんは無事だろうかねーと言った。陽一も、実は私も事件前日、現場近くで地質調査をやっていた為に、名護港警察署に呼ばれいろいろ聞かれましてねと言った。そして、店の主人に事件現場と五反田奈理子の家の地図を簡単に書いて貰った。
つづく


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薄化粧の女 4
2018/07/15 11:15:56 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
薄化粧の女4高梨さつきは、高校時代、まあ普通の女子高校生であった。ただ経済的には厳しく、大学への進学は諦めざるを得なかった。さつきも弟もそれは認めなければならなかった。離島の出身と云うのではなく貧しさの定めであった。友人達は殆どが進学した。さつきは叔母さんの勧めもあり那覇市の郊外にある大手のスーパーに就職する事を考えていた。
つづく


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