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夢の彼方に68
2018/12/22 11:43:53 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 全般
夢の彼方に 68

湯沢陽一は秋風が気持ちいい日、名護に向かった。久しぶりだった。本部半島がはっきり見えてきた。さすがに、北部は那覇と違って静かないいところだと改めて思った。名護だけはこのままの姿であって欲しいと勝手に思っていたのである。名護駅の道に着いた。たくさんの人で賑わっていた。駅の道の中にあるレストランに入った。あら、湯沢さん、本当に久しぶりね。どうして見えなかったのと笑いながらレストランの女性が言った。女性の名は福原初江だった。かっては小川伸介とよくこのレストランで沖縄ソバを食べたものだ。福原初江には妹がいたが、名護の近くの羽地の農家に嫁ぎ、野菜をこの道の駅に出荷しに来ていた。小柄ではあったが澄んだ真っ黒な眼が何とも言えない程美しかった。出荷が済むと必ず姉の初江のレストランに来て昼食をとっていた。湯沢陽一と小川伸介はこの妹、花畑芳野が店に入って来ると、決まって緊張した。嬉しくてたまらなかった。芳野は無口な方だったが明るい女性で優しかった。湯沢陽一は、この芳野さんがもし結婚していなければ是非嫁にな
って貰いたかったなあと、本気で思っていた。名護時代の湯沢陽一の唯一の憧れの女性だった。しかしその日は妹の芳野の姿は見あたらなかった。
つづく


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