議会乱入の顛末
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今朝飛び込んできたニュースには、驚きを通り越して、がっかりと憤りが入り混じった何とも言えない気持ちになりました。
デモ隊同士の衝突が起きるのではないかという懸念はしていたので、前に1月6日の首都デモが平和裏に行われるようにと書いたばかりでしたが、まさか議事堂に乱入する事態に発展するとは。 世界の民主主義をリードしてきた偉大な国がこんな醜態を見せるとは、本当に残念です。 乱入したのは映像を見ても動機という観点からしても、トランプ支持派であることは疑う余地がありません。 この日に向けてトランプさんやその熱心な支持者らがこの日の首都集結を盛んに呼びかけ、何が何でもバイデンさんが大統領になるのを阻止するようにと訴えていましたから、トランプさんの責任は重大です。 熱心な支持者たちは、まさしくトランプさんの呼びかけに答えて行動したと言えるのではないでしょうか。 英語ですが、こちらの論説にある通りです。 この乱入事件を受けて、幾つかのリアクションがありました。 昨日のジョージア州決選投票で、民主党のワーノック牧師に破れた共和党のローフラーさんが、この事件に抗議の意思を込めて、バイデンさん当選支持を決めました。 元々彼女は100人を超える共和党議員と共に、当選無効を訴える議案に賛同していたのです。 潔い人だと感じました。 他にも共和党議員の中から、トランプ大統領を罷免すべきだという声が出ているというニュースもあります。 ツイッターで盛んにトランプ愛を告白していた人たちが急に静まったようです。 これを機に、扇動的な言説に惑わされていた人たちも、冷静に現状を分析し、今一度アメリカが一致の方向に向かうように行動していくことを願います。 しかし、見逃せない動きもあります。 今回の暴動は、トランプ支持者によるものではなく、極左であるアンティファがトランプ支持者を装って起こしたものだという陰謀論が一部で拡散されているということです。 この期に及んで、あり得ない言説を広めるような人こそ、ディープステートではないかと思ってしまいます。 最も、早速このアンティファ陰謀説に対するファクトチェックが行われて否定されています。(こちら) その中で、証拠として拡散されていた画像に写っていたのは、アンティファではなく、熱烈なトランプ支持&数々の陰謀説で知られるQアノンであることが明確にされています。 BLM運動が広まった5月以降、暴動を誰よりも糾弾したのはトランプさんやその支持者でした。 確かに一部で暴動があり、略奪行為、暴力行為がありました。 それは糾弾されるべきことですが、ほとんどのBLM運動が極めて平和裏に行われたデモであったということを彼らはあえて無視して、過激な部分だけにスポットを当て、「民主党は暴力的だ」「バイデンが大統領になるとアメリカは無法状態になり警察が機能しなくなる」などと盛んに煽り立てました。 実際には、まさしくBLM運動に乗じたアンティファらによる過激行動だったわけですが、今回の議事堂乱入事件の首謀者をアンティファであると決めつける人たちは完全な自己矛盾に陥っているわけです。 なぜって、もしアンティファがバイデンさんを支持する側であれば、バイデンさん当選を決める議会運営を阻止する理由が何もないからです。 サンドイッチマン風に言えば、「ちょっと何言ってるのかわからない」状態です。 クリスチャンとして、牧師として、この件で何ができるかというと、まったく心もとないです。 ただ、無駄に人を傷つける行為がこれ以上行われないように、民主的に憲法にのっとって政権移行がなされ、アメリカが正しくリーダーシップを発揮し、他国と協力しながら多くの諸問題に一致して取り組んでいくようにと祈るばかりです。 (追記:今議会中継を見ながら書いていますが、ペンス副大統領により開票結果の宣言が粛々と進められています。ペンシルベニア州の開票結果がアナウンスされたところで、早速ある上院議員から動議が提出されました。一つ一つの州の結果に対して、動議があるかどうかを問うシステムであることを初めて知りました。時間はかかりますが、いずれにしてもすべて否決され、バイデン大統領が確定するでしょう。) ![]() ![]() |