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アフガン情勢に思うこと(2)
2021/09/08 18:46:04 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 時事ネタ
今回のアフガン問題では、米国国内の野党陣営はもとより、世界各国からバイデン政権が格好の批判の的になっています。
確かに、批判されるべき要素は沢山あります。

軍を撤退させる前に、命の危険が想定される一般市民を安全な国に避難させるべきだった。とか
アフガン政府に提供した武器がタリバンの手に渡らないようにきちんと管理すべきだった。とか
政府に対して、米軍撤退後のち密なロードマップを提示しておくべきだった。とか
もっと撤退に時間をかけるべきだった。など、ざっと思いつくだけでもこれだけ出てきます。
バイデンさんの支持率が急降下したのも無理はないでしょう。
失策と言われる今回の撤退劇については、批判にさらされるだけさらされた上で、バイデンさんには次の打開策を見出してほしいと願います。

しかし、そもそもですが、「米軍撤退」という行動自体は失策でしょうか?

というより、さらにそもそもですが、9.11をきっかけに20年前にアメリカが他の西洋諸国と共にアフガンで軍事作戦を展開し、掃討作戦終了後も駐留したことは良かったことでしょうか。

さらにさらにそもそもですが、1970年代のソ連軍侵攻やアフガンをめぐる米ソの争い、ソ連撤退後の内戦や貧困のまん延、それが一つのきっかけとなったタリバン政権の誕生などについては、もう終わったこととして振り返る必要はないということでしょうか。
すべての総括はそこから始めるべきではないでしょうか。

私はアフガンの情勢をニュースで見聞きして、ある既視感を覚えています。
中東情勢ではなく、私が8年半を過ごしたネパールのことです。

私が所属連盟からネパールに宣教師として派遣された2003年当時、国の一部は内乱状態でした。
1990年代半ばに台頭してきた極左勢力「毛沢東主義共産党(マオイスト)」が地方で反政府闘争を繰り広げ、政府側にもマオ側にも多くの死傷者が出ていました。

「極左勢力」とか「毛沢東主義」とか聞くだけで、拒絶反応を起こす人がいるかもしれません。
しかし、そのグループはネパールの9割を占める農村の貧困層から当時絶大な人気を博していました。
権力を振りかざして富を独り占めにし、弱者を搾取し、汚職にまみれた王族を始めとする政府高官に対して、彼らはゲリラ的闘争で対決したのです。
そんなマオ派を、多くの人たちが自由と平等を勝ち取るために闘う正義の味方として歓迎したのです。

その後、2006年内戦終結、王によるクーデター、王政の廃止、共和国の誕生、マオ派からの大統領誕生など、国を揺るがす歴史的な出来事が次々と起こるのを、私は目の当たりにしました。
また、新憲法の制定はその後何年もかけて校正に校正を重ねてようやく2015年に発布されました。
政治的に不安定で貧困が蔓延しているネパールという国を内側から見つめたときに、言語も文化も全く違う多民族国家を一つにまとめるということがいかに困難なミッションであるかを見せつけられました。

当時マオ派の度重なる全国ストライキでたびたび私の活動も中断を余儀なくさせられたこともあって、マオ派の強引で危険な手法を肯定するつもりは毛頭ありませんが、一緒に活動をしていたクリスチャンのスタッフの多くがマオ派を支持していたのも事実です。
ゲリラ的な手段を用いても、何とか慢性的な貧困と上層部の汚職や腐敗を変えてほしいという切実な思いを一般の人たちは誰もが持っていたように思います。

アフガンでタリバンが台頭してきた背景はネパールでマオ派が台頭した背景と全く同じではないにせよ、共通項も多くあります。
その背景を謙虚に学ぶことが大切ではないかと思います。
貧困と汚職は駆逐しなければ国が立ち行かないのは事実で、それが蔓延している状況では強引な手段に打って出るグループが出てくるのは当然とも言えます。(繰り返しますが、タリバンやマオ派を肯定しているのではありません。彼らが台頭した理由に目を向けるべきだと申し上げています。)

もうすぐ9.11から20年になります。
その日はアメリカ人にとって忘れられない日ですし、あのアルカイダの無差別テロ行為は断じて許されません。
一方で、その後の米軍によるアフガンへの軍事攻撃が無批判に正当化されてはいけないと思います。
その後の20年間にわたる米軍駐留も、結局多くの犠牲者を生み、憎悪の連鎖を引き起こしたのではないでしょうか。

昨日のNHKのクローズアップ現代では、9.11をきっかけに義憤に駆られてアフガン戦争に志願した兵士と、その10年後にやはりアフガン駐留を経験した彼の息子を取材していました。


父親はどこまでも戦争を正当化していましたが、息子はアフガンで度重なる自爆テロの脅威にさらされ、帰国後PTSDを患ってしまいました。
そして、あの駐留は無意味だったと涙ながらに語っていました。
これが現実だと思います。
駐留が長引けば長引くほど、状況は泥沼化し、憎悪の連鎖は止まらず、双方に被害者が増えるだけです。
米軍引き上げそのものは、むしろ遅きに失したと私は思います。

もちろん「女性の人権や教育はどうなる?」「信教の自由は?」「タリバンを恐れているアフガン人がたくさんいるではないか?」など、疑問点や課題は沢山あります。
難しいですね。
これについては、次回考えてみます。


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