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国境の島...対馬を訪れて
2011/12/25 09:26:49 書庫 全般
先月、11月28日からの3日間、自衛隊の企画で、国境の島「対馬」を訪問したレポートが、今朝の八重山日報に掲載されました。


国境の島、対馬を訪れて
 

先月、防衛省・自衛隊が企画する国境の島、対馬を研修する機会を与えられ、同じく国境の島である本市と八重山のこれからを考える上で、参考になると思い参加致しました。

長崎県対馬は、本土を除いた日本の島の大きさでは、奄美大島に次ぐ6番目の大きさとなる島で、複雑に入り組んだリアス式の海岸線と険しい山々が魅せる幻想的な美しさの大自然溢れる島です。



位置的には、玄界灘と対馬海峡の間、東シナ海と日本海を結ぶ位置にあり、九州本土からは約130kmありますが、朝鮮半島まではわずか約50kmで、対馬の北端から晴れた日には、韓国の釜山の街並みがハッキリと見えます。

対馬に渡るには、海路と空路がありますが、海路は玄界灘の荒波を超えて行かなければならないことから空路が一般的で、島の9割が山岳地帯であることから、山を切り開いた平地に、滑走路2,000メートルの対馬空港(愛称:対馬
やまねこ空港)があり、長崎空港と福岡空港を結ぶ定期便が運行しています。


対馬空港と長崎空港を結ぶ航空機は、長崎県が第三セクターで設立した航空会社が全日空との共同運航でコミューター機を運行していますが、福岡空港までは全日空のジェット機が飛んでいる為、対馬市は長崎県の行政区にありながら人の往来が多い福岡県との繋がりも深く、特に経済では福岡県の経済圏にあると思われます。


対馬市は、平成16年に6町が合併して現在の対馬市となりましたが、人口は年々減り続け、昭和35年に7万人いた人口は、現在3万4,000人と半減し、若年層の流出から高齢化も進んでいます。

対馬市行政の一般会計予算は、平成22年度決算ベースで、約300億円で、人口4万8,000人の石垣市の一般会計予算が約200億円ですので、石垣市と比べると7割程の人口で、1.5倍もの財政規模となっています。

これは、対馬の面積が日本で6番目に大きい事と漁港が多い事が地方交付税の算定に大きく加算されている事と合併特例措置による恩恵で、歳入(収入)の9割近くを依存財源に頼っています。

一方で、対馬の道路・港湾・漁港・学校施設などの公共施設は、驚くほど整備が進んでおり、島の9割が山岳地帯で海岸線がリアス式海岸となっていることから、道路には橋やトンネルが多く、国や長崎県によるインフラ整備等の手厚い離島施策が充分に図られていることを実感しました。

対馬市の主要産業は、漁業と林業の一次産業ですが、漁業・林業の一次産業の衰退と公共工事の削減が人口の減少を加速させていることから、対馬の美しい大自然売りにした観光産業の発展に力を入れていますが、本市同様、国内航空運賃の高さに起因する国内からの観光客誘致に苦戦しており、地理的に近い韓国からの観光客の誘致に積極的に取り組んでいます。

対馬と韓国を結ぶ交通手段は、海路の定期便、空路の国際チャーター便が就航しており、当初数千人程だった韓国からの観光客は、平成16年頃には、年間約2万人程となり、現在では年間約7万人近くが対馬を訪れ、対馬市の観光産業や経済に大きく貢献しています。


対馬は、朝鮮半島に近く、古来より大陸との要衝の地であった為、都からは遠く離れているが重要な地、辺要の地として位置付けられ、白村江の戦い以降、文永の役、弘安の役(元寇)や豊臣秀吉の朝鮮出兵、日清戦争、日露戦争、第二次世界大戦において、歴史上常に国防上の重要な地としての役割を担ってきました。


現在、対馬市には、陸上自衛隊の対馬警備隊360名、海上自衛隊の対馬防備隊210名、航空自衛隊の第19警戒隊160名の陸海空自衛隊で計730名が駐屯しており、現代においても、国防上の重要な地としての役割を担っています。


昔から国防上の重要な地として位置付けられてきた対馬の住民は、国防に対する意識が高いため、住民と自衛隊の関係はとても良好で、対馬の各種イベントや祭りに、自衛隊員が積極的に参加しており、対馬最大の祭りのひとつ、江戸時代に李氏朝鮮が江戸幕府に使節を派遣する際の朝鮮通信使の行列を再現した、対馬アリラン祭りでも、自衛官が朝鮮通信使の装束を着た行列で祭りを盛り上げています。

経済的には、対馬に駐屯する自衛官が収める市税は、年間約1億円で、自衛隊の真水での経済効果は年間約30億円と言われており、経済波及効果はさらに何倍にもなると推測される中、対馬市と同市議会は、平成21年に防衛省に対し、護衛艦の接岸可能な港湾の整備、空港整備、自衛隊員増強の要請を行っています。

このように、対馬では住民と自衛隊との関係はとても良好で、対馬市民によると、自衛隊の存在は、当たり前の存在であり、空気のようなものであると言っていたのが印象的でした。

現在、防衛省・自衛隊が将来の防衛力の方針・計画となる防衛大綱・中期防衛力整備計画で、先島への防衛力増強の方針を打ち出し、与那国島への陸上自衛隊配備計画巡って様々な議論が起きています。

国境に接し古来から国防の要衝の地として存在してきた歴史の中で育まれてきた国防に対する意識・認識の高さの上で自衛隊の存在を受け入れながら、隣国との交流を積極的に行っている対馬を訪れて考えた事は、かつて対馬が、豊臣秀吉の朝鮮出兵で悪化した日朝関係で、対馬藩主宋氏が両国の文化的・経済的な繋がりを大切にし、日朝の関係回復に大きな役割を果たしたように、同じく国境に接している私たち八重山の住民も、国境の島々に住んでいることを深く認識し、国防上の役割を理解すると共に、時には外交的緊張が起きつつも、国境に位置するからこそ、私たちが隣国との交流を積極的に深めて行くことが重要だと思いました。



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